本記事では、こういった疑問にお答えします。
どうもです、ちゃんやまです。
2021年4月28日にセラーセントラル上にAmazonから通知がありました。
タイトルは「【重要】出品者出荷における返品無し返金について」というものですが、ちょっと聞きなれない言葉ですよね。
しかし、これについてよくよく調べてみると、とんでもない設定であることが分かりました。
本記事では、返品なし返金について僕が実際に調査したことを解説していきます。
特に自己発送を多くやられているセラーの方は、本記事を参考にしていただけたら嬉しいです。
Amazon新機能「返品なし返金」を設定してはいけない理由
ここからは、返品なし返金とはなにか、設定した場合のメリット・デメリット、結論として返品なし返金を設定すべきかについて解説していきます。
この記事を読んで、返品なし返金の危険さを理解し、今後の活動の役に立てていただけたらと思っていますので、最後までお付き合いください。
返品なし返金とはなにか
「返品なし返金」とは、購入者が自己発送セラーから商品を購入して、購入した商品に不備が合った場合、商品を返品せずに自動的に返金を受けることが出来る機能のことです。
2021年4月26日より利用が可能になった機能で、出品者側の定義したルールに基づいて、設定したルールに該当する商品に返品なし返金要求がなされた場合、自動的に返金が実行されます。
Amazonの狙いは、特に低価格商品においては、出品者の返送費用負担が大きいため、返品なし返金機能を利用することで、返送費用負担を軽減されるため、収支軽減に繋がるというものです。
実際アメリカでは既に実施されており、日本以上に返品の多いとされるアメリカでは、それこそ多額の返送費用負担に悩む出品者も多いとか。
特に低価格商品の場合は、デメリットにしかならないため、出品者のために出来た新機能で、この度、日本にも上陸したというわけです。
しかしこの「返品なし返金」機能、使い方を誤るととんでもない事態を招くことが分かりました。
それについては、次項より解説していきます。
返品なし返金を設定した場合のメリット・デメリット
ここからは、新機能「返品なし返金」を設定した場合のメリットとデメリットを解説していきます。
この解説をよく読んでいただき、設定すべきか、設定すべきではないか判断していただけたらと思います。
メリット①:低価格帯商品では負担が減る
先ほどお伝えした通り、取り扱い商品の中でも低価格帯の商品については、商品の返送にかかる費用負担が非常に大きいため、その費用負担を軽減することが出来ます。
たいていの場合、購入者は商品の交換を求めてくるでしょうから、商品の発送費用も再度負担しなければならないため、少なくとも返品による費用負担が無くなれば、大きなメリットと言えるでしょう。
メリット②:かなり細かい設定が出来る
返品なし返金の設定は、取り扱い商品全体に設定されるわけではなく、カテゴリ、価格帯、返品理由などかなり細かく設定することが出来ます。
これにより簡単に返品されたくない高額商品であったり、すり替え詐欺が横行しているようなカテゴリを対象から外したり、返品理由によっては返品なし返金の対象外にすることが出来ます。
メリット③:海外への返品への対応が可能になる
本記事を書いている2021年4月29日現在では、まだ適用されていませんが、7月28日から、海外へ出品しているセラーに関して、海外の購入者の返品リクエストにおいては、商品金額の合計が1000円以下の場合で日本国内の返送先住所が提供されない場合、配送料前払いの返送用ラベルの提供の有無に関わらず、返品なし返金が適用されます。
海外のAmazonで販売をされている方にとって、低価格帯の商品の返品による、返送費用負担の軽減が期待出来ます。
デメリット①:意図的に何度も返品なし返金を要求出来る
これは、悪意ある購入者がいた場合の話です。
例えば、返品なし返金が設定されている商品を、悪意ある購入者が購入し、「商品に不具合がある」との理由で「返品なし返金」を選択した場合、有無を言わさずに自動で返金が実行されます。
その悪意ある購入者が、同じ商品を繰り返し商品を購入し、同じように「返品なし返金」を選択した場合、同じように自動で返金が実行されてしまいます。
さすがにこれは酷いはなしなので、その点についてテクサポに確認したところ、実際にそのような行為は実行可能で、Amazonとしては相談にはのるが、出来ることは「購入者の了承の元、商品価格を再請求するという処理をする」のみで、それ以上の対応は出来ないとのことでした。
以下は実際にAmazonのテクニカルサポートとやり取りした際の証拠画像です。
こうなった場合、Amazonは助けてくれないと思った方がよさそうですね。
FBAにおいては、すり替え詐欺被害が多く発生しておりますが、Amazonは商品価格を全額あるいは一部補てんするだけで、根本的な解決をしようとはしません。
今回のケースも同様で、出品者出荷なのだから、当事者同士で解決しろということです。
デメリット②:高額商品に設定した場合が怖い
今回の「返品なし返金」は、あくまで低価格帯の商品を狙った設定ですが、面倒だからといって間違っても高額商品に設定することは避けるべきです。
理由は言うまでもなく、デメリット①で解説したように、購入者が自動返金システムを利用すれば、同じ商品を繰り返し購入することが可能だからです。
そうなってしまえば、完全に泣き寝入りですので、間違っても高額商品に「返品なし返金」設定をしないように注意してください。
デメリット①のAmazonのテクニカルサポートとのやり取りの中に記載があるように、例えば寝ている間だとか、外出している時に、悪意ある購入者に、繰り返し購入と返品なし返金を実行されてしまったとしても、相談には乗るが根本的な解決策が何もないのがAmazonです。
再請求してはくれますが、その程度の対応では、相手に無視されてしまえば何も出来ません。
返品なし返金を設定すべきか
僕個人の考えとすれば、返品なしの返金の設定はすべきではありません。
理由は、デメリットで解説したように、たとえ低価格帯の商品であっても、悪意ある購入者が繰り返し、返品なし返金の設定を利用して在庫を全て購入したとしても、Amazonは何も助けてくれないし、結局泣き寝入りになってしまうからです。
低価格帯の配送料負担が軽減されるどころか、仕入れた商品代金が全て無駄になるということになりますので、結果的には出品者が大損することになります。
結局、設定してもしなくても、悪意ある購入者による被害はなくならないので、今回のAmazonの新たな試みは、かなり中途半端なものだなというのが感想です。
今回テクサポに相談した結果、Amazonは何もしてくれないことは明白ですので、繰り返しになりますが、返品なしの返金の設定はすべきではないと考えます。
返品なし返金の設定方法
とはいえ、こういったデメリットを理解しつつ、やはり設定したいという方は、以下の手順に従って設定してください。
セラーセントラルの「設定ボタン」から「返品設定」をクリック
返品設定画面が開いたら、解決タブをクリックし「返品なしの解決ルールを作成」ボタンをクリック
ルールに任意の名前を付けて、設定したい商品カテゴリ、返品理由、ストアを選択して、最後に保存ボタンをクリックすると解決ルールが追加されます。
画像引用元:Amazon.co.jp
カテゴリや理由を追加したい場合は、最初から同じことを繰り返し行ってください。
返品設定へは以下からもアクセス出来ます(ログインが必要です)。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回のAmazonによる新たな機能追加に関しては、Amazonが提唱するメリット以上に、デメリットの方が大きいことが分かったと思います。
本来ならば、このようなことが起きてほしくはありませんが、悪意ある購入者は必ず存在しますし、これまで被害にあったことがなくても、この先、被害に遭わないという保証はどこにもありません。
今回の機能はFBAには適用されませんが(FBAにはその機能が搭載されてるため)、自己発送をメインとしている方や、FBA以外に自己発送を多量利用している方は、返品なし返金の設定に関しては、十分に慎重に検討すべきかと思います。
また、先ほどもお伝えした通り、FBAを利用したすり替え詐欺(ほぼ万引きの犯罪)が起きても、今回のように「返金なし返品」の機能を利用した悪意ある購入があっても、犯罪を犯罪とは認めず、迷惑行為の相談にも乗ってくれないのがAmazonということを忘れてはいけません。
勿論、FBAにしろ自己発送にしろ、そういった悪意ある購入者が大量にはびこっているわけではなく、悪いイメージ以上のメリットが沢山ありますので、こういった被害に遭わないように気を付けていくことが重要です。
繰り返しますが、Amazonは何も助けてくれませんので、自分の身は自分で守っていきましょう。
ちなみにですが、本記事の趣旨とは反れますが、すり替え詐欺防止のために、特に高額商品やすり替えが起きやすい商品に対しての対策として、プロテクションタグというものが販売されています。
使用するメリットは、このタグを切らないと商品を開けられないようにすれば、いざ返品された際に、タグが無いことで、送った時の状態と違うことをAmazonに訴える材料になります。
出荷前に写真を撮っておけば完璧ですね。
勿論、100%防げるというものではないですが、すり替え詐欺被害防止の役に立っているという声もありますので、参考までにシェアしておきます。