本記事では、こんな疑問にお答えします。
2020年3月31日
↑これが何の日か分かりますか?
中古を扱ってる方なら分かると思いますが、古物商における「主たる営業所の届出」の期限です。
この「主たる営業所の届出」をしないと、古物商を持っていたとしても無効となり、4月1日からは無許可営業として処罰の対象となります。
まだ申請をしていない方は急ぎ管轄の警察署へ行って主たる営業所の届出をしましょう。
さて、今回の記事のメインはそのことではなく、せどりでフリマアプリやヤフオクから仕入れるのは、古物商的にOKなのかどうか?ということです。
実は、古物営業法に改正があり、その点について非常に厳しくなっています。
最悪の場合逮捕されることもありますので、しっかりチェックしてくださいね。
せどりでフリマサイトやヤフオクから仕入れて売ると逮捕される?
ここからは、古物商認可証の必要性と、実際にフリマサイトやヤフオクから商品を仕入れて販売した際の問題、食品や化粧品の場合はどうかなどについて解説していきます。
せどりとはいえ立派な商売ですので、法的な問題などは避けて通れませんし、あとで「知らなかった」で済む話ではありません。
しっかりと知識を身に着けておきましょう。
古物商認可証が必要な13種の品目
まず古物商認可証が必要な13種の品目について知っておきましょう。
こちらは警察に届け出をする古物商の許可申請書の一部です。
赤枠内に記載されているのが古物商認可証が必要な13種の品目になります。
①美術品類
全ての物品において、美術的な価値があるもの
ebayなどで美術品などを販売する際には必要になります。
絵画、刀剣(日本刀など)、彫刻、工芸品、書、巻物、掛け軸、皿など
②衣類
衣服や革製品など主に身につけるもの。
中古アパレルをやる方は必須ですね。
洋服、着物、ズボン、ジャージ、帽子、敷物など
③時計・宝飾品
身につけるもの、飾るもの
道具類と思われるかもしれませんが、特別にこちらが必要です。
時計(腕時計、掛け時計など)、眼鏡、宝飾類、貴金属類、小判、オルゴール、コンタクトレンズ、万歩計など
④自動車
自動車及びパーツ
カー用品を扱う方はこちらが必須。
自動車、タイヤ、サイドミラー、カーナビ、その他自動車用品など
⑤自動二輪車・原動機付き自転車
バイクや原付及びそのパーツ類
バイク、原付、タイヤ、マフラー、エンジン、その他バーツ類など
⑥自転車類
自転車及びそのパーツ類
自転車本体、タイヤ、ミラー、かご、空気入れ、カバー、補助輪など
⑦写真機類
カメラやレンズ、反射鏡を使った写真機など
カメラ転売をする方はこちらが必要。
カメラ、レンズ、ビデオカメラ、顕微鏡、双眼鏡、光学機器など
⑧事務機器類
レジやパソコン、コピー機など仕事の能率を上げる為に使う機器
コピー機、パソコン、レジスター、ファックス、シュレッダー、計算機、プリンターなど
⑨機械工具類
電気で動く機械や工具
工作、土木機械、医療機器、家電製品、家庭用ゲーム機、電話機など
⑩道具類
生活の中で使用する用品
こちらが最も多いですね。せどりではほぼこれが該当するでしょう。
注意点は、ゲーム機は道具類ではなく機械工具類に該当する点です。
楽器、おもちゃ、CD、DVD、ブルーレイ、運動用具、家具、日用雑貨、ゲームソフトなど
⑪皮革・ゴム製品
皮製品やゴムで作られている品物
革靴などを専門に扱う方はこちら。
革靴、カバン、バッグ、ランドセル、毛皮製品、ビニール製品、レザーなど
⑫書籍
本や漫画、雑誌
本、漫画(コミック)、雑誌、絵本、写真集など
⑬金券類
金券全般
金券を仕入れて売る場合はこちらが必要になります。
商品券、お米券、ビール券、航空券、入場券、回数券、郵便切手、収入印紙、テレホンカード、株主優待券、乗車券など
古物商認可証が必要ない品目
特にせどりにおいて上記の13品目に入らないものについては、古物商認可証は不要です。
例えば、そもそも古物の概念のない食品や、実は化粧品も必要ありません。
こちらは平成29年に行われた、古物営業の有り方に関する有識者会議の資料に掲載されていた文章の一部になります。
そもそも化粧品自体含まれていないことの証拠ですね。
ですので、よくメルカリやヤフオクで化粧品を仕入れて販売するのは古物商的にアウトと言う人がいますが、実はそれは間違いということになります。
ですので、仮に化粧品が盗難品や万引品だったとして、それを仕入れて売ったとしても、古物営業法では処罰出来ないことになります。
ただし、化粧品については重要な注意点があります。
それは、化粧品が新しいものかどうかです。
中には10数年前の化粧品を出品している人もいます。そういった化粧品を使用したことで皮膚が荒れたり、または匂いがおかしかったりと、トラブルの原因にもなりますので、メルカリなどで購入する場合は、その化粧品がいつ購入されたものなのか確認するようにしましょう。
また、楽天やヤフショで仕入れた食品や化粧品を販売することに関しても同様で、古物認可証の必要はありません。
ただし、例えば口紅のケースやファンデーションのケースなど化粧品に付随する商品は、道具類に含まれる可能性がありますので、その点については警察の古物担当に確認してください。
非対面取引における本人確認方法の追加
今回キモとなるのがこちらの項目です。
古物営業法の「非対面取引における本人確認方法の追加」は平成30年10月24日に施行された追加項目ですが、これにより、
古物商が非対面取引、つまりインターネットやFAX、電話受付など、相手と対面しないで古物の買取を行う場合は、相手の身分確認をすることが義務化されました。
せどり的に言えば、メルカリやラクマといったフリマサイトやヤフオクで商品を仕入れる際に、仕入先である相手の氏名や年齢、住所を確認することが義務付けられたということです。
古物商がこれを怠ると違反となり処罰されることになります(逮捕されることもあり)。
1万円未満の商品でも確認義務あり
古物商のガイドラインでは、CD・DVD、書籍、ゲームソフト、バイク以外の商品については、買取先(仕入先)の身分確認は不要とされていますが、非対面取引についてはどのような商品であっても身分確認の義務が発生します。
また相手が法人であっても、担当者の住所、氏名、年齢、職業の確認義務があるため、例えばヤフオクの業者系からの仕入れであったとしても、それを怠ればアウトということになります。
つまり、そもそもメルカリやヤフオクから中古品だろうが未使用品だろうが、仕入れるためには身分確認が必須で、怠ればアウトということになりますが、そもそもフリマサイトはそもそも身分確認が実質不可能なので仕入先としてはアウトということにもなります。
相手の身分の確認方法
では、古物商としてちゃんと身分確認が出来ればOKでしょということになりますが、具体的な確認方法は、古物商取得時にもらえるガイドラインに記載がありますので、そちらをご確認いただくとして、確認方法は全部で15種類の方法がありますが、正直メルカリやラクマなど匿名性の高い媒体ではほぼ不可能と言ってよいです。
というより、メルカリやヤフオクで相手の身分確認をすること自体が困難ですよね。
メルカリやヤフオク登録時に身分確認をしているから問題ないという方もいますが、それは本当でしょうか?
親の承認を得た未成年だったらどうでしょう?
また、そういったサイトで相手に身分確認を求めたとして、特に匿名性が高いメルカリはほぼ無理と言っていいでしょうし、相手からすれば「なんなの?」って話です。
メルカリ・ヤフオクの新品せどりはアウト?
そうなると、必ず出てくるのが
「メルカリやヤフオクで新品を仕入れるのもアウトなの?」
という疑問ですね。
結論から言いますと、アウトです。
そもそも、メルカリやヤフオクに「未使用品」として出品されているものは、厳密には新品ではありません。
古物営業法的には一度人の手に渡った商品は、新品ではなく古物の扱いとなり、未使用の中古品ということになります(古物に該当する商品ついて)。
つまり、メルカリやヤフオクで未使用品を仕入れてAmazonで新品として売ること自体アウトな行為になるし、そもそも古物商認可証を持ってないこと自体アウトということになります。
万が一、あなたが仕入れた未使用品が万引品や盗難品だった場合、警察の調査の段階であなたが古物商認可証を持ってなかったり、あるいは持っていたとしても身分確認を怠っていることが分かった場合、処罰の対象となり最悪逮捕されることもあります。
ただし、先ほども書きましたが、食品や化粧品は古物商の対象品目には含まれませんので、こちらに関しては仕入れて販売しても罰せられることはありません。
しかし、Amazonの規約により個人から仕入れた商品の新品コンディションでの販売は禁止されていますので、古物営業法では違法ではありませんが、Amazon的には規約違反になりますので、ご注意ください。
いまだに、メルカリやヤフオクの新品せどりを推奨している方がいますが、法律的に見れば完全に黒ですので、オススメ出来ません。
身分確認を怠った実際の逮捕例
「田中でいい」偽名書かせ盗品買った容疑 古物商を逮捕https://t.co/LxCO1XpB61
身分を確かめず、偽名で書類を書かせたうえで盗品を買い取ったとして、福岡県警は9日、福岡市南区柏原4丁目、古物店経営林政弘容疑者(38)を古物営業法違反などの疑いで逮捕し、発表した。
— 朝日新聞名古屋編集局 (@asahi_nagoya) September 9, 2019
管轄の古物担当者によって見解が違う
これはよくある話で、僕自身が古物商を取得した2019年の夏に、中古系のせどらーさんに聞いたことです。
どういうことかというと、メルカリは未成年者、ヤフオクは20歳未満の出品を認めておらず、出品する場合には保護者の同意が必要になるため、それをもって年齢確認とみなすよ、という話です。
管轄の古物担当者によっては、「それで大丈夫だよ」という人もいるようで、それを信じた中古系せどらがー、メルカリやヤフオクから仕入れるのはOKとしているわけですね。
しかし、これには抜けていることがありまして、「何もなければ」という話なんです。
仮に、万引品や盗難品がメルカリやヤフオクに出品されていて、あなたがそれを仕入れて販売した場合、警察来ますよね。
そうなった時に、「大丈夫と言われた」は通用しません。
そもそも古物営業法で義務付けられていることを怠ってることには違いないので、反論すら許されないでしょう。
また、「非対面取引における確認の方法」にも記載がある通り、「なりすまし」ではないか確認する必要があります。
例えば、ヤフオクで17歳の高校生が親のアカウントを使って販売した場合、法律に従ってしっかり確認をしていれば見破ることも出来るかもしれませんが、もし怠った場合、何かが起きた時に言い訳ききませんよね。
いくら古物担当の警察官が「OK」と言っても、解釈次第ですから、だったら最初から黒だと思うべきだと僕は考えます。
まとめ
昔はメルカリやヤフオクで未使用品や中古品を仕入れてAmazonに売るということが当たり前でしたが、法律改正により、身分確認をしない場合は違法行為となりました。
しかし、そもそもメルカリやヤフオクでの身分確認は困難。
ならば、化粧品など古物商認可証が不要なもの以外は、今後はもうやらない。
これがベストだと僕は思います。
勿論、身分確認がちゃんと出来るのなら(仕入れ台帳に記載義務も)問題ありませんが、出来ないならやるべきではないです。
そういった事実を無視して、メルカリ、ヤフオク仕入れを勧めてくる人がいたら、逆に聞いてみてください。
どう対応しているのか。
まともに答えられないのなら怪しいですよ。
最悪、逮捕にも繋がるメルカリ、ヤフオク仕入れ。
危ない橋は渡るべからずです。