こういったお悩みにお答えします。
どうもです、ちゃんやまです。
2024年5月1日から導入される低在庫レベル手数料についてAmazonから通知がありました。
中身を読んだ人も多いかと思いますが、正直どうなると手数料が余計に取られるのか仕組みがよく分からないですよね。
そもそも低在庫レベルってなによ?過去在庫日数って?という感じなんじゃないかと思います。
そこで本記事では、低在庫レベル手数料と過去在庫日数についてと、特定の商品への影響、余計な手数料を取られないための対処法などについて解説します。
特に、同じ商品をリピート販売している人はよく理解をしておいた方がいいかと思います。
低在庫レベル手数料の導入で余計な手数料を取られないために
まず低在庫レベル手数料が導入された理由についてAmazonでは以下のように説明しています。
小型・標準サイズの商品について、低在庫レベル手数料を新たに導入します。この手数料は、在庫レベル(販売数に対し、フルフィルメントセンターに十分な在庫量があるかを示す指標)が継続して一定基準を下回る商品に適用されます。十分な在庫量を維持することで、Amazonの物流拠点間で商品を適切に分配し、配送スピードや配送コスト、ひいてはFBA配送代行手数料を適正に保つための取り組みです。
この手数料について、5月の1か月間を移行期間とすることになりましたことをお知らせいたします。この手数料がビジネスにどのように影響するかを販売事業者様にご確認いただき、今後十分な在庫を確保して、売上の向上と手数料の回避につなげていただくことが目的です。
ようするに、Amazonの新基準に基づいて適切な在庫量を維持しないと余計に手数料取るからな!という新たな手数料ビジネスが始まったということのように僕には見えます(^^;
移行期間の5月1日~5月31日には、この間に発生したFBA低在庫レベル手数料がいったん請求されますが、6月30日をめどに相当額を払い戻しいたします。移行期間終了後の6月1日以降は、通常通り手数料が請求され、払い戻しは行われません。
5月中は移行期間で、本格的始動は6月1日からのようです。
なので5月中にしっかりと低在庫レベル手数料について理解をして、必要な対策をしてねってことですね。
低在庫レベル手数料の料金表
以下は、低在庫レベル手数料の料金表です(Amazonからそのまま引用しています)。
過去90日間と過去30日間の過去在庫日数がともに14日未満の場合にかかる低在庫レベル手数料ですが、更に細かく区分けされてることが分かります。
大まかなところでは小型と標準サイズですが、標準サイズが8段階に別れているのと、14日未満においても過去在庫日数0日以上~7日未満と、過去在庫日数7日以上~14日未満で負担手数料の大きさにかなり差があります。
過去在庫日数が14日を下回った場合でも、日数により手数料の数字が変わってくることを頭に入れておく必要があります。
過去在庫日数の計算方法
過去在庫日数の数値はセラーごとの在庫を元に個別に計算されます。
また親ASINレベルで計算され、例えばバリエーションが組まれていた場合の子ASINについては基本的には考慮されませんが、条件によっては子ASINも手数料が科されます。
以下Amazonによる説明です。
商品のバリエーションによっては需要が不確実なことがあり、在庫を最適化することが難しい場合があります。親ASINごとに指標を算出することで、親ASINの下にあるほとんどの子ASINの在庫数が常に少ない場合にのみ、低在庫レベル手数料が請求されます。
商品ごとの1日の平均在庫数と1日の平均出荷点数は、セラーセントラル⇒在庫⇒FBA在庫⇒商品ごとの過去の在庫日数(親ASIN)の項目の「詳細」をクリックすると表示されます。
具体的な計算方法は以下の通りになります。
以下は実際にちゃんやまが扱ってる商品で、過去在庫日数の条件をクリアできていないものと、できているものを例に計算してみます。
- 過去30日間における1日の平均在庫数(表示では手持ち在庫数):5.47点÷1日の平均出荷点数0.8点=6.8
- 過去90日間における1日の平均在庫数(表示では手持ち在庫数):3.7点÷1日の平均出荷点数0.82点=4.5
こちらの商品は、いずれも14日未満となっており、改善しなければ低在庫レベル手数料が加算されることになります。
具体的には、平均在庫数を増やして分母の数値を上げる=これまで以上に納品点数を増やすことで改善されます。
こちらの商品の場合は、平均在庫数が15くらいをキープできるように納品する(1ヶ月1回の納品で50点など)といいかもしれません。
または別の対処法もありますので、それは後述いたします。
- 過去30日間における1日の平均在庫数(表示では手持ち在庫数):30.9点÷1日の平均出荷点数0.6点=51.5
- 過去90日間における1日の平均在庫数(表示では手持ち在庫数):16.52点÷1日の平均出荷点数1.51点=10.9
こちらの商品に関しては、過去90日間では14日未満ですが、過去30日間では51.5と大幅に上回っているため、低在庫レベル手数料が加算されることはなさそうです。
過去在庫日数に関してはFBA在庫で常にチェックすることが大事になってきますので、ページをブックマークしておくことをおすすめします。
FBA在庫にマウスのカーソルを合わせると四角いアイコンが表示されますので、それをクリックして黒く反転させるとブックマークされます。
ブックマークされるとセラーセントラル丈夫のAmazonのロゴの下に表示され、クリックすると一発でページにアクセスすることができます。
低在庫手数料の対象外となるもの
すべての商品に対して低在庫レベル手数料が加算されるわけではなく、以下のものについては対象外となります。
- 大型・特大サイズの商品
- 新規大口出品者(最初の在庫受領日から365日間)
- FBAを新規に利用する親ASIN(※)
- 自社配送(自己発送)
※FBAを新規に利用する親ASINが対象になるには、出品者はFBA新商品特典プログラムに登録する必要があります。
FBA新商品特典プログラムについては以下の記事に詳しく解説していますのでご参考ください。
特定の商品への影響
低在庫レベル手数料の導入により、取り扱い商品に対して具体的にどのような影響があるのかまとめてみました。
高回転で売れているカタログへの相乗りで縦積みはあまり問題ない
高回転で毎日、毎月大量に売れている商品カタログに相乗りしている場合は、毎月安定的に数字をクリアできるだけの量を供給すれば数字は悪化しないでしょう。
ただし、価格競争の激化などによりいったん取り扱いを止めた場合には注意が必要です。
取り扱い再開が30日後または90日後(商品が過去30日間または90日間販売されていない状況)であれば低在庫レベル手数料が発生することはありませんが、取り扱い再開時期によっては、過去在庫日数が14日未満になることもありますので注意が必要です。
1点ものの商品が実質手数料上げになる可能性
中古本や中古家電などの中古系の商品は1点ものが多く、且つ1~3ヶ月に1点売れるものも普通にあったり、新品縦積みのように同じ商品を何個も取り扱うことがないため、過去30日間、90日間の1日の平均在庫数の母数は14日以上をキープすることができますが、出荷点数が0点だった場合には、
過去30日の1日の平均在庫数1点÷1日の平均出荷数0点=undefined
このように、平均在庫数1に対し平均出荷数が1もしくは1未満となる場合、短期の過去在庫日数は1あるいはundefinedになるので低在庫レベル手数料が発生します。
無駄に手数料を払いたくない場合には、特に1点ものはFBAではなく自己発送で対応するのも手かと思います。
特に90日以上売れなさそうなものに関しては、過去30日間、過去90日間いずれも出荷点数が0になてしまいますので、そういったロングレンジの商品はFBAではなく自己発送で販売がいいでしょう。
2024年6月9日追記
2024年6月7日にAmazonから通知があり、過去7日間の販売数が20点未満の商品はFBA低在庫レベル手数料の対象から除外されることとなりました。7日間で20点ということは、1ヵ月で約80点くらいになりますので、新品でもかなりのASINが対象外になる場合があります。
独自カタログに影響あり
独自カタログを作成する際に行うテスト販売に関しては注意が必要になってきそうです。
というのも、過去在庫日数を短期、あるいは長期で14日以上にしないと低在庫レベル手数料が発生してしまうので、最低1個納品して1ヶ月のうちに1個必ず売れるようにしないといけないということになります。
※30日間の1日の平均在庫数1個=1÷1日の平均出荷点数1個=0.03=33.3
となり、過去在庫日数の最低ラインは超えてはいますが、しかし必ず売れるとは限りませんよね。
独自カタログを作って30日以上1個も売れなかった場合には、1日の平均出荷点数は0になりますので、過去在庫日数の最低ラインである14日未満となりますので、低在庫レベル手数料が発生していしまいます。
ですので、カタログ作成後30日以内にある程度見極めるか、なんらかの施策を講じる必要があります。
しかし、独自カタログ特有の回避方法としては、FBA新商品特典プログラムに登録することがベストだと思います。
FBA新商品特典プログラムに登録すれば、最初の罪庫受領日から180日間は低在庫レベル手数料は適用されませんので、最大の回避方法になるかと思います。
ただしFBA新商品特典プログラムには参加資格がありますのでご注意ください。
詳しくは以下の記事をご参考下さい。
トレンドで急に供給が無くなると数字が悪化しやすくなる
廃番品ならともかく、災害が起きたときや、突然バズったときなど、急に重要が高まり、供給が下がったりすると、安定的に在庫を確保することができなくなることでFBA納品が追いつかず数字が悪化しやすくなる可能性があります。
季節物に関しても同様に思われがちですが、後でも触れますが、商品が過去30日間または90日間販売されていないには在庫レベル手数料が発生することはありませんので、それほど心配する必要はなさそうです
Amazonでも解説がありますが、季節物の繁忙期が過ぎた段階では過去在庫日数は14日を下回りますが、以後扱わなければ次の季節までに90日を軽く超えますので、低在庫レベル手数料が発生することは無いと考えます。
低在庫レベル手数料の回避方法
かなり面倒な手数料を導入してきた印象がありますが、無駄に手数料を払わないための回避方法をいくつか紹介します。
適切に在庫を補充する
シンプルですが、過去在庫日数が14日以上をキープできるように、適切に在庫を補充することが最も重要です。
リピート販売しているような商品については特に重要になってきますので、仕入れ忘れなどないようにしっかり管理していきましょう。
在庫を0にしない
ある程度在庫が減ってきたら次回納品までの間価格を上げて売れないようにしておくことで在庫を0にしないというのもひとつの手です。
上記の図のように、在庫が4個でもあれば過去在庫日数14日以上をキープしやすくなりますので、余裕をもって仕入れ納品することができます(それでもなるべく早く補充はしましょう)。
独自カタログはFBA新商品特典プログラムに登録すること
先ほども触れましたが、FBA新商品特典プログラムに登録しておけば、最初の在庫受領日から180日間は低在庫レベル手数料は適用されないため、登録条件が整ってる人は登録しておきましょう。
30日間または90日間開ける
Amazonには以下のように記載があります。
商品が過去30日間または90日間販売されていない場合(つまり、1日の平均出荷数が0の場合)、過去在庫日数が14日を超えるため、その商品には低在庫レベル手数料は請求されません。FBA在庫で過去在庫日数は、「–」と表示されます。
つまり、リピート商品が思わず在庫切れしてしまった場合、且つ次回の入荷が未定になってしまっている状況の場合、30日以上または90日以上経過していれば、商品が再入荷された後にFBA納品しても低在庫レベル手数料が発生することはありません。
また、取り扱い停止してSKUごと削除してしまった場合でも、後日再度同ASINで新SKUで販売再開したとしても、30日以上または90日以上経過していれば、低在庫レベル手数料が発生することはありません。
1日に何個も売れる商品は要注意
1日に何個も、1ヶ月に何個も売れるような高速回転のリピート商品を扱ってる人は過去在庫日数が14日未満になりやすいので注意が必要です。
理由は過去在庫日数の計算方法にあります。
過去30日間における1日の平均在庫数(表示では手持ち在庫数)÷1日の平均出荷点数
で計算されますので、分子である1日の平均出荷点数の数値が大きければ大きいほど、分母の過去30日間における1日の平均在庫数の数値も大きくならなければ、十分な過去在庫日数を保つことができません。
つまり潤沢に在庫を納品し、キープする必要があるということになります。
そしてそれだけ仕入れにかかる資金力が必要になりますので、以下にも解説しますが、薄利過ぎると低在庫レベル手数料で利食いされてしまう場合もあるため、データをしっかりと確認して、しっかりと在庫を補充するのか、資金が追い付かないので撤退するのかを決めた方がいいです。
薄利はやらない、薄利にしない
普段から小型以外で利益100円(利益率数%のやつ)とかでやってる人は打撃を受けるので、ポイント利益以外は薄利はやめることも大事かなと思います。
価格競争に陥ってしまった場合には仕方ない部分がありますが、その場合、販売再開までに間を開けることが必要です。
そもそも薄利でやるということは、ポイントせどりも衰退していますので、単純に儲からないということとイコールですから、長続きしない要因になります。
ポイントせどりの達人出ない限り、商売としては上出来とは言えませんので、そもそもやらないのがいいかなと思います。
今後のFBAはデータの活用が必須項目になる
新たに導入される低在庫レベル手数料のような無駄な手数料を払いたくない場合は日頃からデータを見ることが大事になってきます。
Amazonのセラーセントラルでは様々なデータを見ることができますので、上手に利用して損のないように運用をしていきましょう。
しかしそれでも数字が苦手だという人は、少なくとも安売り商売はしないこと、利益をしっかり確保することが最低限必要ですので、低在庫レベル手数料を払っても大丈夫なように、利益計算くらいはしっかりやっておきましょう。
その他、低在庫レベル手数料に関することについては、Amazonのページをご覧ください。