こういった疑問にお答えします。
どうもです、ちゃんやまです。
Twitter(X)などのSNSでは、無在庫転売に関して是か非か色んな意見が飛び交っていますが、そもそも無在庫転売に違法性があるのかどうか、あなたははっきりと答えを言えますでしょうか。
もし言えない、知らないということですと、もし今後無在庫転売で稼ぐ手法があなたの目の前に現れたときに、大きな判断ミスをしてしまうかもしれません。
2023年8月2日、土佐料理の有名店がオンラインで販売しているゆずポン酢などの画像を無断転載したとして、高知県の会社経営者ら3名が警察に逮捕されました。
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実はこの事例は一見転売が逮捕理由に思えましたが、実際には転売を取り締まる法律はないので違法性はなく、警察は画像の無断転載という著作権違反の疑いで逮捕した流れです。
この事例であるとおり、転売自体に違法性はないので、したがってそれが無在庫転売であっても違法性はありません。
しかし警察が転売ではなく著作権違反で逮捕したように、今後は無在庫転売で逮捕される可能性がゼロではなくなってしまいました。
例えば楽天市場やYahoo!ショッピングにショップを開設して、商品が売れたらAmazonから仕入れて販売する場合、使用する画像はAmazonから引っ張ってきますので、その画像が無断転載ということになってしまいます。
全ての商品において逮捕の危険性があるわけではないですが、今回のゆずポン酢の一件では、ゆずポン酢を販売していた店が無断転売という迷惑行為に対して警察に相談したことから始まってますので、扱う商品次第ではリスクがゼロではないということが言えます。
しかしことは逮捕だけでは終わりませんでした。
このことをきっかとして、無在庫転売に逆風が吹くことになるかもしれません。
本記事では、無在庫転売が規約違反によって取り締まられる可能性について解説します。
無在庫転売は規約違反の可能性も
冒頭で無在庫転売自体には違法性が無いことを解説しましたが、しかし規約違反になる可能性は無いのか心配になるかと思います。
ここからは、Yahoo!ショッピングや楽天市場を販路とした無在庫転売は規約違反にならないのか、そのリスクなどについて解説していきます。
無在庫転売とは
ご存知の人も多いと思いますが、手元や自社倉庫などに在庫を持たずに、売れたら商品を発注して購入者に発送する販売手法のことですが、いわゆる受注発注と違うのは、あくまで「転売」であるという点です。
主な販路は楽天市場やYahoo!ショッピングになりますが、AUPayマーケットやQoo10などでも行われていると思います。
無在庫転売の仕入れ先はAmazonが殆どです。
楽天市場やYahoo!ショッピングの販売アカウントを作成し、無在庫ツールを利用してAmazonから商品データを取り込み、商品名や画像や商品説明などを元に商品販売ページを自動的に作成します。
商品が売れたらAmazonから仕入れるかたちになるので、在庫を持つリスクがなく、仕入れ資金が無い人でも取り組みやすい手法として流行した時期もあり、今でも取り組んでる人がいます。
無在庫転売の大きなリスク
しかし、冒頭で解説したゆずポン酢の無断転売について、画像の無断使用による逮捕事件が、無在庫転売に逆風となる可能性が出てきました。
冒頭でも解説したように、今回の逮捕案件は転売そのものではなく、画像の無断使用による著作権違反のため、Amazonから勝手に画像を拝借して転載している無在庫転売の手法はもろにそれに引っかかるからです。
勿論いきなり逮捕されるということは考えにくく、ゆずポン酢を無断転売していた人に対して、メーカー側も採算やめるように言ったにもかかわらず、転売をし続けた結果、警察に相談が入ったとも考えられるので、注意を受けたときに止めておけば逮捕はなかったかもしれませんし、今無在庫転売している人も、注意を受けたら取り下げることでそれ以上のリスクを負うことはないかもしれません。
しかし、転売ではなく画像の無断転載により逮捕されたという事例ができたということは、無在庫転売に対しての大きなリスクのひとつになったことは間違いないと考えます。
Yahoo!ショッピングの規約
画像の無断転載は、最悪逮捕のリスクがあるという事例はできたものの、通常そこまではいかないだろうというのが正直なところですが、今回の事件を受けてYahoo!ショッピングが、悪質な無在庫転売の取り締まりに動き出しました。
対策強化をする不正行為の例として無在庫転売を名指して取り上げ、改めて規約違反であることの理由として該当するガイドラインを提示してきました。
以下がその具体的な内容になります。
- 出店者は、商品が確保できていない場合、商品を適正に利用するために必要な権利を移転できない場合、または役務提供ができない場合、出品してはなりません。
- 商品の在庫が確保されていないにもかかわらず商品掲載をおこなう見せかけ販売や、その商品の人気が高いように見せるようなランキング不正操作などの客引き行為をおこなうことは禁止します。
要約すると、在庫を持たずに販売してはいけませんよ、ということですね。
また他ECからの直送等についても以下のように禁止されています。
- Yahoo!ショッピングの注文情報をもとに、出店者様がAmazon.co.jp等の通販サイトやフリマアプリにて注文を行い、お客様へ商品を配送すること
- Amazon.co.jp等の通販サイトの商標、ロゴ、名称等が確認できる箱その他の包装・梱包材を用いて、お客様へ商品を発送すること
これも要約すると無在庫転売駄目ですよって規約ですが、Amazonなどの商標やロゴ、名称が確認できる箱などを用いて発送することも禁止されていることに心配になる人もいるかと思います。
なにかというと、AmazonのFBAで販売しているご自身の商品を、Yahoo!ショッピングにも出品して、売れたらAmazonのFBAマルチチャネルサービスを使って発送する場合です。
一見それもアウトに見えますが、FBAマルチチャネルを利用して無地のダンボールを利用して発送する場合は、問題ないとされています。
2019年の記述ですが、削除されてませんので、現在でも有効でしょう。
このように、Yahoo!ショッピングでは悪質な無在庫転売に対して取り締まり強化を計っており、不正が発覚した場合はショッピングストア利用約款の規定に従い、休店措置や契約解除になる場合があります。
また、特に悪質な場合は休店や解約にとどまらず、警察などの行政機関への相談も実施するなど厳正に対処すると、実際に通達されていますので、冒頭のゆずポン酢のようなケースの画像無断転載であっても、メーカーからYahoo!ショッピング側に通報などがあればそのリスクが高いと言えるかと思います。
しかし、無断転売をしてるストアはどうやって探すのか?という疑問がありますよね。
やたらと値段が高い程度では特定するわけにもいかないでしょう。
これは推測になりますが、ひとつは購入者からの通報で、もうひとつはキャンセル率から特定するのではないかと思います。
無在庫転売の特徴として、購入された商品がAmazonなどで在庫切れになっていた場合、注文をキャンセルすることになりますが、その率が高いストアほど無在庫転売である可能性が高いし、またお客様都合によるキャンセル率が高いのも無在庫転売の特徴でもありますので、そういったストアは監視されるようになるのではないかと推測します。
また無在庫転売の場合、ツールを使うことが殆どですので、Yahoo!APIの方から調べることもできるかもしれません(あくまで推測です)。
殆どの無在庫転売の手法は、間に倉庫を挟んで、Amazonから届いたダンボールを無地のものに入れ替えて発送してますので、購入者から「なぜかAmazonから商品が届いた」といったクレームが入ることは少ないと思いますが、注文キャンセルにより特定される恐れがあるということは知っておいた方がいいと思います。
楽天市場は無在庫転売OK?
楽天市場ではYahoo!ショッピングと同様、FBAなど出店者が契約している倉庫から購入者に直送することは特に審査不要で認められていますので、いわゆるAmazonFBA併売や、メーカー直送、ドロップシッピングなどに関しては問題ありません。
ただし、商品によっては審査が必要になりますので、それに関してはご自身でご確認ください。
楽天の文章を見ると、上記のような無在庫販売は禁止されていませんが、無在庫販売において楽天が禁止する商品や行為が発覚した場合には違反点数が課せられ、違反が重なれば講習義務や罰金などのペナルティが発生します。
では商品が売れたらAmazonで購入するような無在庫転売はどうなのかというと、もしAmazonから購入者に直送した場合はNGになる可能性があります。
画像の楽天文章にあるように、契約している倉庫などから商品を直送することはOKになっているので、契約していない倉庫から直送することはNGとも考えられるので、直接規約には記載がないものの、通報があればNGと判断される可能性はゼロではないでしょう。
そのため、通常無在庫転売では、先ほども書きましたが、購入者と仕入れ先であるAmazonなどとの間に「契約倉庫」をはさんで、箱を入れ替えて発送するという手法を取ることで、規約違反になる可能性を回避しているのだと筆者は思うところです。
いずれにしても、そのようなかたちを取っている無在庫ツールを使った販売に関しては、楽天の規約違反にはならなそうです。
しかし問題がひとつだけ生じました。
それが冒頭のポン酢転売の画像無断転載による逮捕案件です。
商品によってはそのようなリスクがありますので、そのような商品を扱わないことや、注意を受けたら即座に商品を取り下げる、二度と扱わないようにツール側でNGワードを使うなどして、しっかり管理する必要があるかと思います。
無在庫転売は嫌われることがある
とはいえ、商品によってはやはり無在庫転売は嫌われる傾向にあります。
X(旧Twitter)の投稿を見てみましょう。
>投稿を見る<
一部ではありますが、やはり冒頭のポン酢販売メーカーのように、自社製品を勝手に無在庫転売されることは良く見られないと言えそうです。
無在庫転売をするにしても、商品の選択は重要になってくるでしょう。
ちなみにXにお悩みを投稿したメーカーの商品を無在庫転売していたセラーは、恐らく知財侵害かなんかで一掃されたようです。
こちらは、お土産でも有名なうなぎパイの公式オンラインショップに掲載されていたものです。
特に警察を介入させたり、知財侵害で訴えたりということは聞いたことはありませんが、このように公式ページで表示しているということは、あまりに悪質であるととらえられた場合には、リスクも伴うと思った方がよいと思います。
楽天での買い物でした嫌な実体験
これは実体験なのですが、楽天市場でパソコン周辺機器を購入した時のことです。
あるパソコン周辺機器の古い型番商品を探していたら、楽天市場で新品が売られていたので、中古よりはいいだろうと購入したんです。
しかし実際に届いたのは中古品。
化粧箱は傷だらけで汚れを拭きとった跡があり、本体やアダプターも本来は袋に入ってるはずなのに裸状態、説明書もボロボロなうえ、箱の中には新品ならあり得ないホコリがちらほら。
最悪なのは、そういった状態の商品を再シュリンクして新品として出品していたこと。
しかしこの商品は、楽天市場の出店者が有在庫で送ってきたものではありませんでした。
商品が届いたときに配達してきたのはAmazonの配達員であり、ダンボールもAmazonのロゴ入り。
つまり、楽天の出店者は僕からの注文が入った後、Amazonで商品を購入し直送したということになります。
楽天の規約によれば、これはNG行為の可能性があります。
しかし大きな問題は実は2点ありました。
ひとつめは、楽天の出店者が購入して直送された商品は中古品にも関わらず新品のラベルを貼り付けて、それを堂々とAmazonで販売していたセラーがいたこと(あるいは商品がすり替えられて再シュリンクされて返品され、在庫に戻った可能性もゼロではないですが)。
そしてもうひとつが、返品・返金を楽天の出店者にお願いしたときのことです。
先方は丁寧に返品・返金を受けてくれて、後日僕の自宅に商品の集荷に伺うということになりました。
商品の行き先は出店者の概要ページに記載されている、出展者の返品受付窓口かなと思いきや、自宅にやってきたのは「Amazonの商品の回収でーす」とやってきたヤマトさんでした。
え?Amazonと思って見た受付伝票がコチラです。
埼玉県かわじま町にあるAmazonの小型商品返品係でした…。
つまり楽天の出店者は、Amazonで購入した商品に不具合があったから堂々と返品・返金を要求したわけですが、それは一購入者とAmazonの関係性だけであれば当然の権利とは思いますが、この商品一度は転売したわけですよね。
商品に問題があったら、Amazonの返品・返金のしやすさを利用してやればダメージゼロという前提で無在庫転売をしているのだとしたら悪質極まりないと僕は感じました。
そして、その仕組みを教えたコーチ(スクールやコンサル)の存在も疑ってしまいます。
楽天無在庫転売は規約違反の可能性がありますが、それ以上にこのような転売手法がまかり通っていることに驚きを隠せません。
さすがに気分悪いなと思いました。
間に倉庫も挟まずに、自ら商品を購入して直送するような無在庫転売のノウハウは、リスクが大きいので利用すべきではないと個人的には思います。
セルモン、ハンロプラスは大丈夫
あまり先行きが明るいとは言い切れない無在庫転売ですが、どうせやるならAmazonのFBA倉庫に納品している在庫を、他販路販売するというやり方の方が、違法性も違反性も無く、しかも納品して他販路販売サービスに無料で登録するだけで始められるので、当ブログではおすすめしております。
無料で使える他販路販売サービスは2つあります。
ひとつめは、セールモンスター(通称セルモン)。
セールモンスターは要期限管理商品以外の自社ブランドカタログやOEMカタログなどが対象商品になりますが、楽天市場やYahoo!ショッピングなど7つ以上のショッピングモールに自動で出品し、代理販売してくれるサービスです。
つまり、あなたは楽天市場などの販売アカウントを作る必要が一切無く、Amazonに納品している商品を自動的に他販路販売することができます。
無料で使える理由ですが、商品の販売額に数%上乗せした価格で販売しているため、差額をサービス料として受け取っているためです。
サービスを提供している会社も儲かるし、登録している利用者も儲かる。
まさにWIN-WINの関係というわけですね。
また、先ほども書いたように、利用者の使っているFBA倉庫と間接的に契約を結んでいるかたちになりますので、Yahoo!ショッピングでも楽天市場でも規約違反にはなりません。
ふたつめは、hanro+(ハンロプラス)というサービスです。
サービス内容はセールモンスターと全く同じですが、取り扱い商品は、販路で禁止されている商品でなければ何でもOKです。
食品などの要期限管理商品も他販路販売が可能です。
僕は両方とも使っていますが、Amazon以外の売上が毎月立ちますので、かなりおすすめなサービスです。
気になる方は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
Yahoo!ショッピングや楽天市場における無在庫転売に関して、その違法性と規約違反についてお分かりいただけたかと思います。
個人的な推測ではありますが、Yahoo!ショッピングでの無在庫転売にはリスクが伴い、楽天市場における無在庫転売に関しては、間に倉庫を挟むかたちであれば、無在庫ツールを利用して販売することは既約上可能ではあります。
しかし、ポン酢の事件のように画像転載に関してはリスクを伴いますので、リスクのある商品を取り扱わないように気をつける必要がありそうです。
無在庫転売は現在このようなかたちになっていますので、取り組もうと考えている方は、しっかりと見極めて利用する必要があるかと思います。
特に僕からおすすめするようなサービスはありませんが、もし今後そのような機会があった場合には本記事を思い出していただけたら嬉しく思います。
コメント有難うございます。
本記事は誰もが閲覧できる状態にありますため、ご参考にされることについては得に問題はございませんが、あくまで私が調べたものになりますので、その点はご了承ください。
また、本記事に関して素敵なご感想もいただき、ありがとうございます。
今後の記事更新の励みになります。